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雇用保険と失業給付

私たちが退職したら、失業給付金を貰うためどのように立ち回らなければならないのでしょうか。現在の日本の全ての会社には、法律で「全社員を雇用保険に加入させる義務がある」と定められています。この義務のおかげで、私たちは退職後には失業給付金を受けることが出来るのです。しかし、雇用保険は一昔前のように退職したら自動的にお金が出るというものではなくなっています。

雇用保険と失業給付

雇用保険は、被雇用者の従業員の給料から天引きされた保険料と、雇用者である会社が払った保険料で成り立っている被雇用者のための保険です。そして雇用保険は、「雇用期間中に集めた保険料で失業期間の収入を支える保険」なのです。

雇用保険の資格者とは

雇用保険は、会社に就職した時点で自動的に加入することになっている保険なので、被雇用者は特にこれといった手続きをする必要はありません。雇用者である会社には全ての社員を加入させる手続きを行わなければならない義務があるからです。もしも、正社員なのに会社が雇用保険に加入していない場合は、ハローワークを通して会社に雇用保険に加入してもらいましょう。雇用保険加入者の保険料は、二年前にまで遡って納入することが出来ます。

退職後にもらえる失業給付金

雇用保険の要である失業給付金は、会社を退職または解雇された後に貰える保険金です。十数年前は、失業給付金の給付条件も緩く自己都合退職や会社都合退職といった条件付けも無かったようですが、バブル崩壊を機に始まった平成不況以後は失業者が増加したため、失業給付金の受給条件が厳しくなってきているのです。

雇用者・被雇用者が払う雇用保険料

雇用保険は、雇用者と被雇用者が払う保険料で成り立っています。雇用保険料は、基本的に給料から天引きされているので被雇用者は意識しないままに雇用保険料を払い込んでいることになります。一般事業の雇用保険料は、被保険者となる被雇用者の賃金総額の1000分の15にあたり、雇用者が1000分の9、被雇用者が1000分の6を負担することになっています。

失業給付金の受給資格とは

退職後に受け取れる失業給付金には、受給資格が存在しています。この受給資格を満たしていなければ、退職しても失業給付金を受け取ることは出来ないのです。

雇用保険料の支払い期間

まず、受給資格の前提となるのが「雇用保険料を支払っていた期間」です。雇用保険は、正社員のみならずパート・アルバイトにも適用されるのが一般的になっています。正社員の場合「賃金支払いの基礎となる日数が14日以上ある月が6ヶ月以上、雇用保険の加入期間が満6ヶ月以上あること」、パート・アルバイトなどの一週間あたりの労働時間が20時間以上30時間未満の短時間被保険者は「賃金支払いの基礎となる日数が11日以上ある月が12ヶ月以上、雇用保険の加入期間が満12ヶ月以上あること」となっています。つまり、正社員なら半年、パート・アルバイトなら一年をフルタイムで働いていれば受給資格の条件を満たすと考えて構いません。

「失業」状態とは?

二つ目の条件として挙げられるのが、「失業の状態にあること」です。この場合の「失業」というのは、ただ仕事に就いていないだけでは成立しません。雇用保険で認定される「失業」というのは、「いつでも働くことが出来る能力を持ち、就職活動を続けているが就職できない状態」にあることをいうのです。この失業状態の認定はハローワークが大きく関わっており、求人誌やインターネットを家で見ているだけの状態を失業状態と認めないほどに厳しくなっています。

失業給付金を手にするには

雇用保険は受給資格を満たしても、自分で動かない限り一銭も入ってこないというほかの保険には無いシステムを持っています。基本的に雇用保険は日本の被雇用者全てが対象になるという、類を見ないほどに大きな保険制度なので被保険者一人一人の動きまでは把握できないのです。

失業の申告

会社を退職した被保険者は、地元のハローワークで失業給付金の受け取り手続きを自分でしなければなりません。失業給付金を受け取ることが出来る期間は退職から1年間となっていますが、なるべく早く手続きをするようにしなければなりません。手続きには、退職した会社から出される「離職票」と「雇用保険被保険者証」が必要になります。離職票を受け取ったら、会社が書き込んだ退職理由に間違いがないか確認し、必要事項に記入してハローワークの窓口に提出しましょう。手続きが済めば、ハローワークの雇用保険説明会へ出席して雇用保険についての説明を受けることになります。

求職活動の定義

失業給付金は、「働ける能力があって、働く意欲があるのに就職できない」失業者を支援するために給付される保険金です。つまり、「働く意欲」が証明できないと失業給付金を貰うことは出来ないのです。働く意欲の証明となるのが求職活動ですが、失業給付金を貰うための求職活動はハローワークを介して行われた求人への応募などがあげられます。

失業給付金はいつから貰えるのか

失業申し立ての手続きは出来るだけ早く行ったほうがいいというのは、失業給付金が貰えるタイミングが変わるからなのです。失業申し立ての手続きを終えて失業認定がされると七日間は「待期期間」とされ、求人活動などを行ってはいけないとされます。待期期間後の最初の失業給付金は、失業認定日から次の失業認定日の四週間からこの待機期間の七日分を引いた21日分貰えることになります。つまり、失業申し立てが遅いとその分失業給付金が貰えるのが遅くなるのです。自己都合退職者の場合、さらに三ヶ月の給付制限期間が付くため手続きが遅れるのは非常に不都合であるといえます。

定年退職の場合

定年退職者の場合、退職金と年金を元手に第二の人生を謳歌したいという人がほとんどですが、中には再就職したいという人もいます。こういった定年退職者の場合は、失業保険は働くのでしょうか。実は、定年退職者でも失業給付金を受け取ることが出来ます。基本的に60歳以上65歳未満の定年退職者には、失業保険の受給期間を一年間延長することが出来ます。また、定年退職後で60歳以上65歳未満の時に再就職して雇用保険の被雇用者になると「高年齢者再就職給付金」が給付されます。この高年齢者再就職給付金の給付条件は「定年退職の時点で雇用保険の被保険期間が五年以上」「再就職の時点で雇用保険の基本手当支給残日が100日以上」「再就職時の給与が34万0733円未満で、前職の給与の75%未満であること」「再就職手当を受けていないこと」など、厳しい条件が課せられています。

雇用保険を最大限に生かす方法

失業給付金は、退職するまでに会社に勤めていた期間の長さで給付期間が変わり、最大で150日になります。しかし、150日の給付期間を得るには20年近く働いていなければならないため現実的とはいえません。しかし、ある制度を利用すれば給付期間を延ばすことが出来るのです。それが職業訓練制度です。

職業訓練制度とは

職業訓練制度は、「職業能力開発促進法」という法律の下に運営される制度です。在職者や離職者を対象に、公認の職業訓練指導員が職業能力や技能を教えるこの制度は、キャリアアップや異業種への転職に役立つ制度として知られています。その受講内容は産業・工業などのいわゆるブルーカラー系の技能からパソコンや事務などのホワイトカラー系の技能にまで及びます。職業訓練を受ける求職者には、受講手当と交通費が支給されるという特典も付いているのです。

職業訓練制度の利点

実は、職業訓練制度には技能を身につける以外にも大きなメリットがあります。自己都合退職者には、失業給付金に3ヶ月間の給付制限期間が付いていますが職業訓練を受けるとこの給付制限が取り除かれ、すぐに給付を受けることが出来るようになるのです。しかも、職業訓練期間中に失業給付金の給付期間が終わっても職業訓練期間が終わるまでは、失業給付金の給付を受けられるというメリットもあるのです。

職業訓練制度の欠点

しかし、この方法が書籍やインターネットなどで紹介されたため現在では給付期間延長のためには使いづらくなっています。職業訓練を受けるためには「受給期間が120日以下の場合は最低一日、150日以下の場合は30日以上、180日以上の場合は60日以上」の給付期間が残っていなければならないことになっています。また、失業期間中に受講できる職業訓練は1講座のみで、「受給期間を延ばすために職業訓練の講座を梯子する」ことは出来ません。