退職ナビゲーター

退職とお金と休暇

もしも、退職することになったあなたの退職日が決まって、同僚への仕事の引継ぎもスムーズに進んだ場合、そろそろ退職後の生活が気になる頃ではないかと思います。 実際には、退職前にもう一度見直さなければならないのは、余った有給休暇や社内で積み立てた旅行費用や社内預金制度で預けたお金です。

退職とお金と休暇

退職後は、会社勤めをしていた頃よりも遥かに多くの自由になる時間を得る代わりに、収入源が雇用保険からの失業給付金とアルバイト収入に限られることになります。そのため、退職を決意する場合は退職前からの貯蓄が重要になってくるといえます。だからこそ、退職前に残った有給休暇を消化することや社内での預金や積立金を確実に回収しなければならなくなるのです。

有給休暇について

年次有給休暇は労働基準法で定められた労働者固有の権利ですが、日本社会が持つ体質のせいか、有効活用することが難しい制度であるといえます。有給休暇は、入社6ヶ月以上で全労働日の8割以上出勤している場合、10日分の有給休暇が自動的に発生することになっています。有給休暇は入社6ヶ月目から1年ごとに10日プラス年数分が加算されていくことになっています。

退職前後の有給休暇消化

退職が決まった後は、退職日までに有給休暇を完全に消化するようにスケジュールを組んでおきましょう。退職日以降の有給休暇は無効扱いになります。もしも、退職日までに有給休暇を消化しきれないのであれば、会社に有給休暇を買い取ってもらうという形をとって消化することは可能です。このときの買い取り価格は会社が自由に決定できるので、出来るならお互いに納得できる形で有給休暇を消化するようにしましょう。

有給休暇で悩まないために

会社によっては、社員が有給休暇を取ること自体を好ましく思っていないことがあります。年末年始やお盆に使わせるところはまだマシで、場合によっては「退職前の有給休暇消化をするな」と言い出すところさえあります。有給休暇は法で定められた労働者固有の権利なので、有給休暇を取ることは決して悪いことではありません。会社が有給休暇を使わせないようにしているのであれば、労働基準監督署に一報入れるのもまた労働者の義務であり、権利なのです。

給与から天引きされる預金・積立金

会社の中には、給与から天引きして積み立てる制度を導入しているところもあります。社内旅行の旅費を積み立てる制度や、銀行口座と同等の預金制度などがあります。社内預金制度の場合、導入している会社は減っているものの銀行より高金利が付いていることがあるため利用している人も多いのではないでしょうか? これらの積立金・預金は退職の際にどうなるのでしょうか?

社内預金・積立金は手元に返ってくる

実は、これらの社内預金や社内積立金は「賃金の支払の確保等に関する法律」という法律で、「退職を宣告した一週間以内に退職者に返金しなければならない」と定められているのです。積立金や預金は、給与から天引きされる形態をとっている会社が殆どなので、税金や保険料などの国に納付される性質のものを除いて、天引きされているお金は労働者の下に戻さなければならないのです。

お金・休暇を考えた退職の時期

退職の理想形は、「周囲に角を立たず仕事を引き継いでもらい、有給休暇を完全消化した上で貰えるもの全て貰ってから辞める」であるといえます。しかし、この理想を実現するためには根回しとタイミングが重要になってきます。

ボーナスを貰ってから退職する

退職希望者の中には、ボーナスが支給される夏・冬を狙って退職願を出す人も少なくありません。しかし、ボーナスの査定が終わっていても辞めると分かっている社員に満額支給したいと思わないのが人情であるともいえます。角を立てないためにも、タイミングとしては「ボーナス支給日以降に退職願を提出する」のがベストといえます。

給料を貰ってから退職する

給料日は会社ごとに違うので一概には言えませんが、給料を貰ってから辞めるようにタイミングを合わせたい人も少なくないのではないでしょうか。しかし、給料日の翌日以降に退職できることは殆ど無いといえます。この場合、退職者は労働基準法第23条の「雇用者は被雇用者からの請求があった場合、賃金・積立金・預金・保証金などの被雇用者が権利を有するお金を、七日以内に全額返還しなければならない」という条項を利用します。この条項を利用すれば、締切日の翌日に退職しても先月から締切日までの未払い分の給料を七日以内に手にすることが出来ます。また、退職者が請求してから七日以内にお金を返還しなかった場合、会社側には30万円以下の罰金が科せられます。

理想的な退職時期は何時なのか

つまり、理想的な退職届を出す時期は「ボーナスが支給されてすぐ」ということになります。一ヶ月くらいならボーナスも、大きな買い物をしていない限り目減りしないでしょう。その月の給料は、前述の労働基準法第23条を利用すれば退職日までの分を確実に貰うことが出来ます。ただ、理想は理想なので実現するためには確実に根回しをしておく必要があるでしょう。