退職ナビゲーター

退職前に知っておこう!

正社員が退職する際に知っておかなければならない事には、どのようなことがあるのでしょう。規制緩和により人材派遣業が認められるようになったことで、日本の社会は新しい問題を抱え始めています。派遣先や派遣元に何も告げぬまま突然姿を晦ましてしまう「バックレ」と呼ばれる退職が後を絶たないのです。しかし派遣社員と違って、正社員ともなると簡単に退職することは出来なくなります。

退職のために知らなければならないこと

テレビドラマなどでは、上司の机に退職願を叩きつけて会社を辞める場面がよく見受けられますが、実際の退職は退職願を出せば全てが自動的に終わるというものではありません。退職は書類一つで片付かないようになっているのです。退職は退職願を会社に提出して、自分の仕事を引き継いでもらうための資料を作成したり、関係先に挨拶周りをしたり、退職後の勤め先を探したりと、膨大な手間がかかる作業なのです。

なぜ退職は手間がかかるのか

では、なぜ退職はこれほど手間がかかるのでしょうか? 俗に「サラリーマンは会社の歯車」であると言われます。「いつでも取替えが利くから」といわれていますが、歯車を取り替えるためには、機械全体を止めなければなりません。つまり、会社という機械を止めるために必要な手続きをしなければ、歯車と呼ばれる被雇用者は辞めることが出来ないのです。

退職する上での心構え

もしも、あなたが退職を決意したのならば退職前にはお世話になった取引先や先輩に挨拶を欠かしてはいけません。入社当時、先輩の庇護の下で仕事を学んだことや辛いときに励ましてもらった覚えがあるのであればなおさらです。取引先にしても、あなたが相手だからこそ培われた信頼もあるのです。また、挨拶を欠かさずに行っておけばあなたの再就職後にプラスとなる人脈が形成されることもあります。また、会社に残る同僚にも礼儀を欠くことなく会社を去ることも忘れてはなりません。

退職のために必要なことは

退職する際には、何をすべきかを一つ一つピックアップして紙に書き出して、見える所に貼り出しておく位の入念な準備をしておくのが無難です。では、退職の際には何をしていけばいいのでしょうか?

いつ退職するかを決める

退職するには時間がかかるので、「○月○日に退職する」と退職希望日を最初に決めておくことが肝心です。退職希望日を決めたら、その日にむけて退職のための行動を起こすためのスケジュールを考えておきましょう。

退職願を書く

まず、退職を考えた際には「退職届」ではなく「退職願」を書きます。退職願は、あくまでも「願書」なので提出後でも撤回することが出来ます。退職願は、最低でも退職希望日の一ヶ月前を目安にして、上司に提出するようにします。

仕事の引継ぎを準備する

いよいよ退職する段になったら、自分が抱えていた仕事を会社に残っている同僚に引き継いでもらうようにします。引継ぎの振り分けは上司にお願いして、自分は仕事の進捗具合や取引先との付き合い方などを資料にまとめ、引き継いだ同僚がすぐにでも始められるような体勢を作っておく必要があります。この資料作成は、自分が転職した後に元同僚が問題を解決するために、たびたび転職先に連絡してくる状態を作らないためにも重要な作業であるといえます。

退職後の求職活動の準備

転職を目的に退職する場合、求職活動のための準備も並行して行う必要があります。ハローワークへの登録や、履歴書・職務経歴書の準備は必要です。また、退職後は自己都合の場合無収入になる期間が長くなるので、数ヶ月は働かなくても食べているだけの蓄えを準備しておく必要があります。もしも、退職前から転職が決まっている場合は求職活動の準備をしなくてもいいのですが、退職者はこれらの準備を確実に行って初めて、円満な退職が可能になるといっても過言ではないでしょう。

退職と就業規則

入社時には、必ず会社から全員に就業規則が渡されています。しかし、会社によっては就業規則自体が難しい言葉で書かれている上に、小さな文字でびっしりと長文で書き込まれていることもあって、手渡されてから一度も通読したことが無い人も多いのではないでしょうか? 就業規則は、就業中のみならず退職時にも大きな影響を及ぼすことが書いてあることがほとんどなのです。

就業規則とは

就業規則は、労働基準法で定められた「会社運営のために必要なルール」です。労働基準法第89条では「常時10人以上の労働者を使用する場合、就業規則を作成しなければならない」とされています。もちろん、10人未満であっても就業規則を作っておいたほうが無難です。就業規則は、「始業時間と終業時間・休憩・休日・シフト制などの就業時間について」「賃金の計算や設定、締め日・支払日などの給与体系について」「退職・解雇について」の三点を必ず記載していなければなりません。

就業規則は絶対なのか

しかし、事業者の中には「社員は就業規則に必ず従わなければならない」「法令よりも会社内の規則が優先される」と考えて、労働基準法に違反するような内容の就業規則を作る人も存在します。就業規則は、労働基準法第92条で「法令または労働協約に反する就業規則を作ってはならない」とされています。たとえば「退職を申し出た場合無条件に3か月分の給与を返還しなければならない」というような内容の就業規則があった場合、この規則は法令違反なので労働者は守る必要はありません。企業は、法に保護されていると同時に法を守る義務があるのです。

就業規則が変わるためは

就業規則は、労働基準法第90条において「就業規則を変更する場合、労働者の代表の意見を聴かなければならない」とされています。この場合の「労働者の代表」は、労働組合の代表者や労働者が選抜した代表者で無ければなりません。会社の思惑だけで、就業規則を会社に都合の良いように変更することは出来ないのです。

就業規則が退職に関わること

就業規則は、退職に関しての決まりを定めなくてはならないことになっています。つまり逆に言えば、退職する際には、必ず退職についての決まりを確認しておかなければならないのです。また、退職の際には誓約書を書かされることがあります。大抵の場合、「同業者に就職するのは一定期間をおいてから」という内容のもので、仕事の内容を漏らされたくない意図があります。退職誓約書は、会社に都合の良いように書かれているとはいえ無益な争いを起こさないためにも、道義に則って行動するようにしましょう。