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死亡退職の場合

被雇用者が退職する、という状況は常に千差万別です。一つの会社を定年まで勤め上げる人、次々と転職を繰り返して自分自身のキャリアアップに活かす人、仕事上のトラブルや不満を理由にして会社勤めを辞める人、独立するために長年勤めた会社を退職する人と様々です。しかし、中には定年まで勤め上げられず不本意な形で会社を退職しなければならなくなってしまう人もいます。特に、被雇用者が事故や病気などで帰らぬ人となる死亡退職の場合は、残された人たちにとって大変な事態であるといえます。

もしも在職中に死亡してしまったら……

死亡退職は会社にとっても、被雇用者にとっても不本意な形で行われる退職であるといえます。人の運命というものはどうなるかわからないものですので、いつ何が起きて人生に終止符が打たれるかは予想できないのです。死亡退職の場合、遺された遺族がもっとも大変なように感じられますが、実際には会社の方も大変なのです。

死亡退職の際の遺族がすべき手続き

被雇用者が亡くなった場合、遺族は葬儀の準備だけでなく会社へ死亡退職届を出す必要があります。また、このとき会社側から貸与されていた社員証などの身分証明や書類なども返還しておくべきでしょう。葬儀のために必要な手続きは、葬祭業者や医者と相談して確実に行っていきましょう。

死亡退職の際に会社がすべき手続き

従業員が死亡退職した場合、会社は社会保険事務所などにいくつかの手続きを行わなければなりません。葬儀にかかる「埋葬料」「葬祭料」の支払い手続き、従業員が生計を立てていた場合支払われる「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」、業務中または通勤中に災害に巻き込まれて亡くなった場合は「遺族補償年金」「遺族一時金」の手続きを、会社の責任の下に行わなければなりません。

死亡退職後の給与関係

死亡退職の場合、働き盛りのお父さんや家庭を盛ったばかりの若者が対象になることも少なくありません。遺族と会社がそれぞれの手続きを終えた後、遺族が必要になるのはありていに言って、生計を立てるためのお金です。死亡退職の場合、払われるべきだった給与はどうなるのかを解説していきます。

死亡退職金とは?

退職金の規定がある会社の場合、死亡退職した従業員に対しても退職金を払う必要があります。これを「死亡退職金」といいます。死亡退職金も、退職金と同じように勤務年数や最終的な役位から計算された金額に加えて、未支払い分の給与や慰労金などの要素が加味されたものが支払われます。

死亡退職金に税金はかかるのか?

実は死亡退職金は、遺産とみなされるため相続税の対象となります。つまり、遺族に渡る死亡退職金は通常の所得税などではなく、相続税を引かれた分になります。また、死亡退職金は遺産扱いになるため、遺産相続の対象として争われることになります。しかし、遺産関連の民法上では遺産を受け取る資格がある故人の兄弟であっても、死亡退職金の場合は「就業規則で規定された相手にのみ受け取る資格がある」とされていることがあるため、保険金などと同じく通常の遺産とは違う扱いを受けることになります。

死亡退職金にかかる税金の控除

死亡退職金は、いわゆる「見なし遺産」として扱われながら分与対象にならないという性質を持っています。しかし、見なし遺産として扱われるため相続税が課税されることには変わりありません。では、出来るだけ多く死亡退職金をもらえるように相続税の控除をするにはどうすればいいのでしょうか? 基本的に、相続税は法定相続人一人当たり500万円が控除されることになっています。つまり法定相続人が、死亡退職金を貰える故人の配偶者を含めて2人いれば1000万円、4人いれば2000万円控除されることになるのです。もしもの時のためにも、遺言書を用意しておくことは重要であるといえます。