退職ナビゲーター

あなたの退職はどれ?

一口に「退職」といっても、その内容は「どのような理由で退職したか」によって大きく変化します。退職の内容によっては、退職後に得られる失業給付金の支払いにも大きな影響が及んでくるのです。では、退職にはどのような種類があるのでしょうか?

退職の種類を知ろう!

退職には、「定年退職」「自己都合退職」「会社都合退職」「早期優遇退職」などがあります。終身雇用制があった頃は、「定年退職」「自己都合退職」「解雇」くらいしか会社を辞めるための手段が無かったのですが、バブル崩壊後の日本は雇用制度が変化して「会社都合退職」と「早期優遇退職」という新しい退職手段が発生したのです。

定年退職

定年退職は、雇用契約で示された年数に達した時点で雇用関係が満了するというシステムです。基本的には、被雇用者が60歳になった時点で定年とみなされます。最近は、従来の60歳から65歳に引き上げる会社も出てきています。また、定年まで正社員として働いた被雇用者を嘱託社員として定年後も続けて雇用するシステムもあります。定年退職を、「第二の人生の始まり」と考え定年後は夫婦で海外や田舎に移住するケースもあり、新しいビジネスチャンスと考えている企業も少なくありません。

自己都合退職

自己都合退職は、被雇用者自身が置かれている事情などによって会社との雇用契約関係を維持できなくなった場合に行われる退職です。自己都合退職は、被雇用者が退職届を会社側に提出した時点から14日後に退職することが出来ます。この14日は退職届を提出した被雇用者が申し出ることで短縮することが出来ます。一般的には、未消化の有給休暇を退職届提出後に消化することが多いようです。

会社都合退職

会社都合退職は、被雇用者である労働者側からではなく、雇用者である会社側から行われる退職です。会社都合退職としては俗に「肩叩き」といわれる勧奨退職があるのですが、労働基準法改正以降は「雇用契約解除の理由が被雇用者ではなく、雇用者である会社にある場合」、会社の都合による退職とみなされ自己都合退職よりも厚遇を受けることが出来ます。会社都合退職になるのは、リストラや事業縮小による人員整理などの「会社が従業員を減らさなければならない場合」です。また、膨大な残業や休日返上などの労働基準法に反する労働を課せられていた被雇用者が自己都合退職しても、労働基準監督署の判断で会社都合退職になるケースも有ります。

勧奨退職

勧奨退職は、雇用者である会社側が被雇用者に対して「退職してくれないか」という働きかけを行うことを言います。被雇用者は、勧奨退職を受けた場合は必ずしも退職する必要はありませんが、会社側が左遷や配置転換などの不当な業務命令を出して退職に追い込むこともしばしばあります。しかし、「勧奨退職に応じなかった」という理由で被雇用者に対して不当な業務命令を出して左遷や配置転換することは、「退職強要」とみなされ裁判を起こされた場合は会社側が圧倒的に不利であることは覚えておくべきでしょう。

早期優遇退職

早期優遇退職は、会社都合退職の一形態で「勧奨退職を実行する前に先に退職を申し出た場合は退職金を加増する」といった厚遇が示されます。しかし、早期優遇退職では「会社にとって辞めて欲しくない人材」までが退職を申し出てくることや、退職金上乗せの分だけ会社の経理が圧迫されることがあります。つまり、早期優遇退職は会社自体の経済的体力が残っているうちに行うのが、退職金を払う会社にとっても退職金を貰う労働者にとってもベストであるといえます。

円満退職を目指す上で重要なこと

これらの多様な退職が行われる上で、被雇用者が気をつけるべき重要なことには、どのようなものがあるのでしょうか?

仕事を引き継がせて退職

自己都合退職の場合、自分が抱えていた仕事を最後まで全うできないまま中途半端に終わってしまう可能性があります。「発つ鳥跡を濁さず」とは言うものの、抱えていた仕事全てを終わらせてからでは退職予定日を大幅に割り込むことだってありえます。そうなると転職先が決まっていた場合、先方に迷惑をかけることにもなるでしょう。退職の際は、自分が直前まで抱えていた仕事を上司と相談して引継ぎ先を割り振ってもらい、仕事の進捗具合などを資料に纏めておくのが会社員としての正しい姿勢です。

周囲に角を立てずに退職

人と人が関わりを持つ集団生活は、常に軋轢が生まれる可能性を内包しているといっても過言ではないでしょう。たとえ、その集団の構成員同士の仲が良くてもです。そのためあなたが自己都合退職を申し出た場合、同僚や上司からの不満の声が上がるのはある意味当然であるといえます。しかし、その不満は「俺が苦労しているのにあいつだけ勝手に自由になりやがって」といった逆恨みや妬みから来るものなので、出来るだけ彼らの不満が出ないような説明を用意しておくのが無難でしょう。

退職後の準備をしておく

自己都合退職にしても会社都合退職にしても、退職までには猶予期間が与えられます。この猶予期間の間に次の就職先を準備しておくことや、退職後の生活費用をどのようにやりくりするかを算定しておくべきです。たとえ失業給付金をすぐにもらえたとしても、無計画ではあっという間に困窮してしまうのです。また、会社によっては「離職後に必要な書類を出さない」「同業種の会社に悪い噂を流す」といった、退職者を邪魔する行為を行うことがあるので、最寄りの労働基準局の場所と電話番号を調べておくくらいの準備はしておいても良いかもしれません。